人事部長からの質問

2003/05/06 8

社員の残業を自主的に減らさせる方法はありますか?

ないです。創造的な仕事は、時間と成果との間にリニア(比例的)な関係がありません。アインシュタインの特殊相対理論に関するいくつかの論文は、彼がベルンの特許局に勤めていた、数年間に集中して書かれています。空前絶後の成果物ですが、そこに投下された時間は、それほどでもなかったと思われます。会社が社員に創造的であれ、というときは、成果の質を求めているのであって、それを得るための時間の多寡を問題にするのは矛盾です。管理者をつけて、すべてのプロセス管理が(会社が責任をもって)できる場合のみ所定労働時間管理が意味をもちます。工場のラインでの作業や、店頭における接客業務などはそれに馴染むと思いますが、それ以外の多くの仕事については残業を問題にしてはいけません。労働基準監督署の人と戦うのが労務部門の人の最大の仕事であります。

文責:清水 佑三