人事部長からの質問

2003/08/11 76

ストックオプション制度の今後は?

プロ野球の世界がよい例ですが、興行元の球団経営者が貰う年収は、球団が契約する野球選手のトップクラスの10分の1にも満たないものです。存在が稀でかつ球団経営(業績)に直結する人気プレーヤーに配分が集中するのは、当然のことだと思います。そういう意味あいでいえば、ストック・オプションも、会社価値を実質的に創造しているごく少数の「知識と技術」をもつものに対してのみ、供与されるべき特殊な報酬制度だと思います。制度が変更され、会計上の費用計上が満額、義務づけられれば、会計上の費用ゼロを魅力に考えて行われてきた大量のストックオプション供与のスタイルは消えてゆくとみます。その後のイメージですが、マイクロソフトが発表した、(譲渡制限つき)自社株式の無償供与制度に移行してゆくとみます。なぜその場で現金でとならないかといえば、供与対象者がそれをもらってすぐバイバイされると困るからでしょう。急激な成長シナリオをもつベンチャー企業以外でストックオプションといわれてもあまりピンと来ないものです。

文責:清水 佑三