人事部長からの質問
ホリエモン批判の大合唱ですね。
マスコミは怖いと思います。思いだすのは加賀乙彦の小説『帰らざる夏』です。そこに描かれた昭和20年8月15日前後の陸軍幼年学校生徒たちの対立は興味深いものがあります。「神州不滅」を声高に叫んでいた多数派「大和魂」グループが、敗戦の日を境に掌を返して軍部の戦争責任を追及しはじめるのです。ホリエモンを糾弾するマスコミの論調にもそれに近いものを感じます。加賀乙彦さんのこの本を読んだときにずいぶんと考えさせられました。この先の生き方として、つねに少数派でありたいと思いました。生まれつきの性分もあったと思いますが、この小説が自分の生き方に与えた影響は大きいと思います。
文責:清水 佑三
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