人事部長からの質問
トリノオリンピックで勝てない理由は?
わかりません。メダルの数=国威発揚度、と考える国だったら、担当大臣の首が飛ぶかもしれませんね。ステーツ・アマチュアが跋扈した時代を思い起こします。ただ、このオリンピックから、フィギュア・スケートの審査の方法が変わったというテレビ中継の解説には職業柄つい耳を欹(そばだ)てて聞いてしまいました。全体を通して直観で形態美(インパクト)を判定する前回までのオリンピックの審査のやりかたから、個別のワザの難度・できばえなど、観察ポイントを細かく分けていって得点を算出し、それを集計して総合点を出すやりかたに審査の仕組みを変えたのだそうです。アセスメントという専門領域での議論と(議論の内容が)酷似しているのですね。(能力)アセスメントの世界においても観察・記録・分類・集計というプロセスで評価する英米系流儀と、全体、直観、インパクトを媒介にして評価する非英米系流儀があり、どちらがよいか、いまだに議論の決着がついていません。
文責:清水 佑三
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