人事部長からの質問
ネット掲示板での告発問題をどう考えたらよいか。
記憶に残っている事例は、やはり東芝クレーマー事件でしょう。今から3年前だったと思いますが、東芝のVTR購入者が、その欠陥をホームページ上で指摘し、その後、泥沼化して社会的事件になりました。結果的には東芝側が謝罪して落着しましたが、ネットでの告発の怖さを満天下に知らしめた事件です。同じ年に警視庁も「悪徳警察官撲滅委員会」を名乗る男性から、傷害事件での損害賠償訴訟の請求をホームページ上で受け、ニュースになったことがあります。前者の対応が後手後手となったのに比べて後者の場合は、警視庁が逃げずに、自分のホームページを使って、事実をありのままに伝え、しかも早い段階で、その男性と話し合ってことを収めました。この二つの事例をよく勉強されるとよいでしょう。特に、会社首脳部個人に対してネット上でなされる告発問題は微妙です。書き込む相手が社員である場合は、攻撃側のほうが守備側よりも個別的な情報が多く、これでもかこれでもかとネタが出てくるものです。その手の攻撃にあいやすい人を(やり手という理由だけで)首脳部に登用しない、が唯一の防衛策だと思います。これは人事部長の大事なミッションであります。
文責:清水 佑三
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