人事部長からの質問
部長とは身分なりや、役割なりや?
プロ野球の監督は明らかに役割であって身分ではありません。その理由は成績不振となるとただちに解任されるからです。横浜ベイスターズの山下大輔監督については、どうして解任されないのか不思議でしようがないです。横浜の市民文化が勝ち負けに拘らない鷹揚さがあるからなのか。監督登用に長い時間をかけてきたので、監督から外すのにもそれと同じ時間がかかるのか判然としません。それはともかく、(ほとんどの)会社における部長は役割ではなく、身分でしょうね。部長は課長よりも広くて便利な社宅に住める、海外出張のときにビジネスクラスが使える、はそれが身分制度であることの証拠です。椅子が立派になってゆくのも同じです。成果主義とは、実は、部長を身分として考えるのではなく、部長権限を行使して一定以上の成果をあげる「明確な役割」として定義しなおすことにほかなりません。生え抜きエリートの山下大輔といえども、ファンの期待を裏切る采配を振るったら、辞めてもらう、が役割論による処遇です。そんなことすぐできねえよ、と球団首脳が思っているとしたら、それが横浜ベイスターズが弱い本当の理由です。
文責:清水 佑三
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