人事部長からの質問

2006/02/15 687

人格障害者の犯罪に「動機」を問うのって無意味ですよね。

この欄でも以前、人格障害という言葉を使ってきましたが、同じいうのならば、パーソナリティ障害という言葉のほうがよいように思います。人格障害だと善悪につながる全否定的な印象を伴いますが、パーソナリティ障害であれば、同じように障害という言葉を使っても、パーソナリティ(=社会的仮面)という言葉がもつあいまいで複雑な響きによって否定のニュアンスがやわらげられると思うからです。それはそれとして、ご指摘のように「血が騒いだ」「悪魔が自分に忍び込んだ」といって人を殺した凶悪犯罪者に「合理的な説明責任」を求めるのは、無理だし無意味だと思います。吉田兼好が、徒然草で「狂人の真似とて大路を走らば、すなはち狂人なり」と喝破したのはまことにむべなるかなと思うのです。行動の結果責任をとってもらうことだけが、被害者を供養する人の道だと思うのです。

文責:清水 佑三