人事部長からの質問

2006/01/06 660

偽装がうまい人が出世しますよね。

添え書きに姉歯元建築士の構造計算書偽装問題への言及がありました。自分の経験で申し上げるのですが、資料の分厚さ、緻密さ、内部整合性がつくる一種独特の許認可ワールドに「トリック」があるように思います。許認可権限をもつ役所や審査機関の担当者は、中身の本質的な適否(社会ニーズ)にはまったく関心を持ちません。したがって、そういう人が提出資料のどこをどのように見ているかつぶさに観察すれば、偽装はオチャノコサイサイです。同じ理屈は企業内における昇格システムについてもいえます。まさにおっしゃるように誰がどこをみてどういう判断をしているか見抜けば偽装昇格はできます。それがうまい人が順次登用されてゆくと思ってよろしい。官僚による国会(委員会)答弁を聞いていていつも感じる嘘寒さは質問者の問題意識の正しさを証明しているように思います。

文責:清水 佑三