人事部長からの質問

2005/11/04 621

605の関連質問です。「コミュニケーション力」の正体に迫ってください。

「力」という以上、何かができないといけない。仲良しの人たちがおしゃべりを楽しむのは教わらないでもできます。普通の人にはできない「おそろしいワザ」でないといけない。思い浮かぶのは、井伏鱒二の『駅前旅館』の番頭、生野次平です。井伏鱒二はこの小説を書こうと発意した驚愕的な経験をエッセイで語っています。ある実在の番頭にあって正真正銘びっくりした。この人はどういう場面、どういう状況でも「殺し文句」がいえる。その効用で相手がコロッとまいってしまう。もののいいかた、身振り手振り、目つき、声、ありとあらゆるものを使って、自分の思う落としどころに場面をもっていってしまう、と書いていました。こんなイメージをもっていますが、わかりますでしょうか。

文責:清水 佑三