人事部長からの質問

2003/07/22 62

上位者の任命にアセスメントを活用する企業が出始めているが。

トップの戦略センスが優れていると仮定します。問題は「笛吹けど踊らず」です。トップの意思を執行する上位者の任命が鍵となります。推薦、合議というプロセスしかないと思いますが、候補者が玉石混交の中で合議するのと、選りすぐった候補者集団の中で合議するのとでは結果はまったく違ってきます。候補者集団を形成する上でアセスメントは欠かせない、とみています。イギリスの人事コンサルタントであるビル・メイビー氏は著書の中で、アセスメントの役割を「ロール・プレー演習を限りなく現実に近づけてゆくことで、候補者が何を求められているか、理解できる。それによって、候補者が自分で自分の適否を判断して、(自ら)辞退するなどの自己選抜が(心理内部において)促進される可能性がある」と書いています。ソニーの大賀典雄さんが経験されたような13時間の株主総会の議長役をロール・プレーで再現するわけです。社長業は俺には向かない、と思う人が出てくる、というのです。私は選別されなかった時の本人の(心理内部においての)納得性が得られる、という点で上位者の任命に(優れた)アセスメントを活用すべきだと考えています。

文責:清水 佑三