人事部長からの質問

2003/07/18 61

(優秀な)常務にセクハラの噂が絶えない。どう考えるべきか。

自民党の前官房長官中川秀直氏は優秀さにおいては誰もが認める人です。スキャンダルが指摘されて、要職を辞しています。一方、同党の現幹事長山崎拓氏は、スキャンダルが指摘されているにも関わらず、党役員を辞す構えはありません。この違いについてよく考えます。一つは、行政府の長(官房長官)と政党の長(幹事長)の違いがあります。行政府の長は国家公務員ですが、政党の長はそうではありません。二つに、スキャンダルの内容です。中川氏の場合は、女性問題のほか、薬物疑惑などがありました。かりに噂がそのとおりであったとすれば違法行為です。一方、山崎氏の場合は、公務出張への愛人同伴など灰色的な部分もありますが、本人がいうように「法律は犯していない」側面があります。三つはお二人の姿勢の問題です。辞任要求に対して断固たる姿勢を崩さない山崎氏とそうでない中川氏とでは、任命権をもつ総理総裁はじめ同僚の心象も変わってきます。参考になりますでしょうか。

文責:清水 佑三