人事部長からの質問
人事考課対象期間、はどの程度が現実的か?
よいご質問だと思います。いわゆる世界標準方式で、決算は四半期ごとが定着していますが、もともと時間をくぎって何かを評価する、は根底において無理のある思想、考えかたです。聡明な日本人はそういう「こちたきひがごと」には敏感で、会計年度という考え方を人を扱うときは、拒否してやってきたところがあります。いわゆる長期的な視点で人をみる、です。ヒノキの木が使えるようになるのは80年かかるといいます。80年先をみて先祖は植林してきたのです。それと同じことが人の評価にもあるのです。ユニークすぎる意見かもしれませんが、人間の評価期間は中国、晋書にある「棺を蓋いて事定まる」であります。つまり生きているうちは、利害や感情によって正しい評価はできない。その人に対する本当の評価は死後にならざるを得ない、がこの言葉の意味です。浅薄な評価を時間をチマチマ区切ってすることなどやめてしまえ、が筆者のいいたいことです。
文責:清水 佑三
バックナンバー