人事部長からの質問

2003/07/11 56

人事部員をローテーションさせる是非について。

日本企業の独自性は、本来、独立的、専門的である人事部員を(2、3年のサイクルで)ローテーションさせていることです。この図式は日本文化のなせるワザであり、欧米諸国ではあまり見られないものです。採用の仕事を例にとると、入社早々の若い人たちにこの仕事を任せる大企業が目立ちます。プロ野球のスカウト職に野球をよく知らない人をあてるような感じです。奇異に映りますが、長い間、自然に培われた企業内習俗のようなもので、中にいる人たちは違和感をもっていないのが面白いところです。ずぶの素人に近い人が調達した人たちで構成された集団が日本企業なのです。アマチュアリズムそのものです。ところで財務部員と人事部員は同じです。金の調達と運用に責任をもつのが財務部員です。金を人におきかえればそのまま人事部員です。財務部員はローテーションの対象になりにくいと思います。同じように人事部員もローテーションの対象から外すべきだ、が私の答えです。

文責:清水 佑三