人事部長からの質問

2003/07/09 54

評価と報酬の連動についてはどう考えるべきか。

評価の客観性というのは、政治の透明性と同じで「夢」です。人が人を評価する、あるいは支配する現象には透明性がもてないのです。評価と報酬の連動をさせない年功序列という思想は、縁あって集まった同志が同じ気持ちで一所懸命に働くとき、個人個人の異なる働きの間で優劣をつけることができようか、優劣をつけてはならない、という強い感情が根底にあります。統治のメカニズムというよりも宗教感情、人間観のなせるワザです。日本人はこの気持ちを快とするところがあり、評価と報酬を連動させようとするすべての試みは、われわれが長い間はぐくんできた風光明媚な「風土」を砂漠化してしまうと思います。ただし、これは選手についてのコメントであり、監督については評価と報酬は100%連動させないといけません。

文責:清水 佑三