人事部長からの質問

2003/07/08 53

成果主義を納得感の高いものにしたいが。

成果主義とは、功ある者には禄(賃金のようなもの)を与えよ、能ある者には配(軍配のようなもの)を与えよ、という古くからある思想の今様の表現です。蒙古襲来絵巻には、主人公の御家人竹崎季長がはるばる鎌倉まで旅をして、恩賞を得るべく自分の活躍をアピールする話が記されています。成果に見合った処遇を求めるのは「人情」です。納得感ですが、処遇にメリハリをつければつけるほど、周囲のジェラシーが刺激されます。富士通さんが、成果と賃金の連携を実行に移し、破綻してしまった事実は、いかに我々の国民性とこうした考え方が馴染まないかを教えてくれます。私見ですが、成果主義と納得感は、ギッタンバッコの関係にあるもので、両者の共存は不可能とみています。

文責:清水 佑三