人事部長からの質問
360度評価データも揃い、コンピテンシーモデルもできた。次は?
質問が逆なように思います。何かをするために、360度評価を実施し、コンピテンシーモデリングに大枚をはたくのです。それはともかく、次になすべきは、すべてのマネジメントポストについて経営戦略上、要衝と考えられるポストとそうでないポストとに分けてゆく作業です。優れて経営的な仕事であり、ボード(経営委員会)の付託を受けて極秘裏に行うべきです。上から10のポストについて、コンピテンシーモデリングの結果をチェックします。経営センスをもっているごく少数の人を動員して、本当にそうか、をチェックして、コンサルタント会社が出してきたものを補正します。その上で、そのポストに現についている人の360度評価データを調べミスマッチ度を出します。一定の限度を超えてミスマッチと判定された人については、申し訳ないが、選手交代です。新たにつける人についても、候補者群の360度データを活用します。以上が、ご質問への回答です。なぜ、人事考課や実績よりも360度評価データを重用するか、ですが「現にとっている行動」への評価だからです。「改革」がよい例ですが、頭のよいほど口で改革を唱え実行行動を引き伸ばすものです。
文責:清水 佑三
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