人事部長からの質問
教育・研修費(対管理職)の費用対効果を測る尺度はないか?
社員による不祥事(表に出したくない不名誉な事柄)が測るべき対象になると考えています。(不詳事に対して)地震と同じように、マグニチュード(大きさ、規模等を示す数値)のようなものを用意して、件数×マグニチュードの総和を求めます。年度ごとにそれと管理職への教育・研修費総額との比を求め、改善してゆけばよいのです。天敵がいないといわれるマス・メディアといえども、社員の不祥事によってブランドイメージは失墜し、ついには破綻まで追い込まれることがあります。1972年の春に衆院予算委員会で社会党の横路孝弘議員は、外務省の極秘公電コピー2通を示し、沖縄返還交渉最終局面での日米の「密約」について追及しました。世にいう太吉っつぁん事件の発覚です。毎日新聞がこの事件によって昔日の栄光を一気に失う奈落に向かったといわれます。たった一人の記者の行動が契機となったのです。不祥事のマグニチュードを測る計器の針は振り切れてしまったことでしょう。管理不在のなせるワザです。リーダーは事業を統率し、管理職は不祥事への怠りをなす、が私の考えです。
文責:清水 佑三
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