人事部長からの質問

2005/02/17 445

中高年になって発達する知能は?

(矛盾するものを統合的に発展させる)止揚に働く知能で、「複雑なものを複雑なものとして理解する力」「矛盾・葛藤関係にある人、ことをまとめる力」「説明しにくいことを譬えなどを使ってイメージ化する力」などの働きと関係します。年齢とともにレベルを高めてゆく知能で、若い人にはあまりみられない知能です。『結晶化知能』という言葉で呼ばれることがあります。この知能はとても高いが、簡単なことをすぐ忘れる熟年者の前にでると、若い人たちはとまどってしまうのですね。昭和20年8月の終戦の詔の草案を作ったといわれる陽明学者、安岡正篤さんなどがこの知能をもつ代表格の人でしょうか。戦後の歴代総理に帝王学を教えたといわれた人です。かの細木数子さんと最晩年につきあいがあり、没後、遺族と細木さんとの間に係争がありました。止揚しすぎたのかもしれません。

文責:清水 佑三