人事部長からの質問
成果主義、実力主義、能力主義の違いを。
よいご質問ですね。特定の価値意識に基づく制度・体制を**主義といいます。成果、実力、能力のどれに比重をおくか、でご指摘のような違いが生まれます。ものすごく単純化していえば、お相撲さんの世界が成果主義です。仮に勇み足、反則、不戦勝だけで全勝しても、優勝の栄誉を手にします。あがってナンボの世界ですね。実力、能力主義の区分は確かに紛らわしいです。プロの世界が実力主義です。たとえば弁護士さんでいえば、訴訟における勝敗は実力差とみられます。それでお願いするときの値段が決まる。プロ野球でいえばブルペンで160キロのボールを捕手の構えたところに投げる投手は高い能力をもっていますが、ここいう場面でそれが出せない限り実力があるとはみなされません。サラリーマン社会は典型的な能力主義社会です。経験=能力という仮説をおいて職能等級の階段を用意し(成果とは関係なく)年次ごとにソロリソロリと処遇をあげてゆきます。これが能力主義です。
文責:清水 佑三
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