人事部長からの質問
出世や報酬で釣る時代は終わったのか?
そうだと思います。そういうものに無関心な優秀層が陸続と入社してくるのが今の時代の特徴でしょう。努力に努力を重ねてよりよい仕事や地位を獲得してきた「達成呪縛」グループからみると、彼らの入社、退社の動機がよくわからない。面接で「勝ちたいと思うグループと楽しみたいと思うグループの葛藤処理に奔走させられた」という体育会幹部経験者の述懐が多い。私などは体育会に入って、なお楽しみたいという「神経」を疑ってしまうのです。それなら何でサークルにしないの?という疑問です。体育会というブランドと楽しみたいの両方のいいとこどりをしているように見えてしまう。会社に入って、楽しみたいといわれるのも同じようなとまどいを感じるのです。末は博士か大臣か、という価値意識の中で育ったゆえでありましょう。自分がだんだん前世紀の遺物のように思えてくるのですね。
文責:清水 佑三
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