人事部長からの質問
公平な評価を担保するものは?
私は何もないと考えています。「公平」とはかたよらず、えこひいきのないこと、をいいます。価値観の多様性を認めた段階で、ある人にとっては「公平」と映り、ある人にとっては「えこひいき」と映る、矛盾構造が生まれるのです。絶対主義はある意味では「公平」であります。ちょうど、オーケストラの指揮棒のようなイメージです。その棒に添って演奏者全員が同期できます。同期しない人は×としても公平性が保たれたと演奏メンバーは感じます。ところが、長期利益への貢献をよしとする政権から短期的な利益をよしとする政権へ移行した瞬間に、今までの評価が逆転してしまいます。いずれが公平であるか、は意味のない議論だと私は考えます。主観的、客観的という評価法の問題は、どんぐりの背比べでどっちもどっちの問題であり、価値観の多様性の問題に比べれば無視できます。
文責:清水 佑三
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