人事部長からの質問
定期昇給をなくすとどうなる?
春はあけぼの、やうやうしろくなりゆく山ぎは、すこしあかりて…(清少納言)という明るい気分が消滅するでしょうね。入社1年生たちが「ひめやかな自滅願望」を必死に封じ込めて1年間頑張ります。春はあけぼの、の気分で手にできたのが定期昇給です。それがなくなると思えばよいでしょう。ちなみに私が勤めている会社の場合、(四大卒だと)初年度12600円、二年度13400円、三年度14100円の定期昇給があります。定期昇給でありますが、物価上昇分を補填するといった考えからは出ていません。習熟度手当であり、後輩たちに対する面倒み手当であるという認識をもっています。こういう定期昇給制度は、(体育会のような)上級生が下級生を自然に技術的、人格的に育成してゆく風土、雰囲気を見えないところでつくっていったと思います。定期昇給制度の廃止はそういう風土の消滅とセットになっています。
文責:清水 佑三
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