人事部長からの質問
うちでもメンタル疾患が多くなったが。
メンタル疾患というときに注意したいのは、フィジカル疾患における「風邪」の喩えです。湯冷めをすると風邪をひきます。それは疾患というよりも「免疫的な反応」であり、なおすもなおさないもない領域の問題です。安静にしていれば自然治癒します。同じことがメンタル疾患の90%について言えるとみています。いわゆるストレスによって引き起こされる「感情障害(うつ)」であり「神経障害(不安、怯え)」です。湯冷めをしただけなのですね。湯冷めさせない、湯冷めしない知恵と努力が、職場と本人の両方にあれば対処可能な問題です。要は配属、教育を含めたマネジメントの問題です。ところが、この分類に入らない10%程度の疾患はやっかいです。自傷、他傷という事件につながるからです。特にトラウマのようなメンタルな傷は目に見えないだけに被害の立証も難しくまことに厄介です。どうか自社のメンタル疾患を科学してください。後者が世間と比べて多いと判断された場合、人事部署の責任でその問題にメスを入れるべきです。(具体論はいつか本にします)。
文責:清水 佑三
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