人事部長からの質問

2003/11/26 148

客観的面接なんてあるのか?

公平な人事ってあるのか、という質問と同じタイプの質問です。公平な人事、その反対の人事というニ値的な価値観をイメージした上で回答すれば、公平な人事も客観的面接もありえません。しかし、公平でない人事の割合を減らしてゆこうとする努力、主観的面接の度合いを少なくしてゆこうとする努力はけっして無価値ではないと思います。このように、目標として存在することにのみ価値がある概念は「自由」「平等」「博愛」をはじめたくさんあります。客観的面接もそういう種類の目標的概念だと思えばよいでしょう。ちなみに、エス・エイチ・エルでは客観的面接とはいわずに、ストラクチャード・インタビュー(構成的面接)という言葉を使っています。ある仮説を検証するために目的的に準備された質問をツリー状(こういう回答の場合は、さらにこれを尋ねる)に展開して、最終的な判断を構成的目的的に導く面接です。客観的ではないかもしれませんが、仮説と検証というプロセスは保障できます。

文責:清水 佑三