人事部長からの質問
部下のいない管理職の労組加入は?
日本IBM訴訟のことを言われているのだと思います。ご承知のとおり、この事案は日本IBMの部下を持たない管理職3人の労働組合加入を認めない会社の判断が不当労働行為にあたるかどうか、が争われました。東京都地方労働委員会は不当労働行為と認めませんでしたが、つい先ごろ、東京地裁は労組側の命令取り消しの訴えを認めて、東京都地方労働委員会の命令を取り消しました。東京地裁が下した判決の趣旨は「管理職なので組合員の資格はない」「ストに参加すれば処分対象となりうる」という会社側の主張を認めず、3人の職務内容や職務権限を詳しく検討した結果として「会社の利益代表者には該当しない」と指摘し、労働組合員の範囲は、(会社が規定するものではなく)労組の自主判断に委ねるべきもの、としました。日本の大企業において部下のいない非組合員管理職は多数にのぼります。非組合員のリストラに関係するこの判決の影響は注意深く見守る必要があります。
文責:清水 佑三
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