人事部長からの質問
役員評価制度のありかたを。
従業員兼務役員とそうでない(社長、専務、常務等の)表見役員とは分けて考えるべきです。前者については、従業員に対する評価制度との同質性、連続性をもたせないといけません。身分として従業員の立場をもっているからです。後者はまったく逆で、(従業員の評価制度と)同質性、連続性を断ち切る必要があります。先般、りそなグループが報道発表した役員評価制度の項目に「新しいりそな像を創り出す力」というのがありました。まさに役員諸氏には大きな群れを率いるリーダーシップを求めるという宣言です。もう一項、「深く多面的に問題を見極める力」というのもありました。一部門だけの視点から出てくるアイデアは世間に出したときに思わぬ抵抗や波紋に出会うものです。こうした世間の反応を深くかつ多面的に読める能力は役員がもつべき能力です。この二つがあれば船の舵取りは大丈夫でしょう。りそなグループの役員評価制度の改革を参考にすべきです。
文責:清水 佑三
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