人事部長からの質問

2003/11/18 143

フランス観を知りたい。

エス・エイチ・エルは、多国籍企業で、私がこのチームに入った1987年ごろは、毎年1回、イギリスの本社に世界各国の社長さんたちが集まり、国際会議と称して、今から見ると随分と牧歌的なミーティングを繰り返していました。そのときに、SHL Franceの社長の挙措、言動がとても気になりました。髪型、ネクタイ、服装、話し方、関心事が多くの国の社長と違うのですね。たとえば、SHLグループはアングロ・サクソン系で、データ主義、検証主義の匂いがつきまとってあります。筆跡のような人の感性の正しさを根拠にして人を鑑定する手法を受け付けないのです。ところが、SHL Franceの社長は、頑固に筆跡鑑定有効論を口角泡を飛ばして主張していました。ドビルパン・フランス外相が最近の国連安保理で、米軍の統合指揮権の継続に反対し、多国籍軍の指揮権を国連に移譲するよう要求しているニュース映像などに接するとSHL Franceの彼を思い出すのです。シラクさんの隠し子騒動が政治的失脚につながらない、なども国民性でしょう。面白い国ですよね。

文責:清水 佑三