人事部長からの質問
娘がカウンセラーになりたがっている。
その時代、その時代にあこがれ的に映る職業があります。『助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)』という芝居をみていると、この芝居が書かれた享保の頃は花川戸助六(実は曽我五郎)のような江戸の町奴が大変な人気稼業だったことがよくわかります。やたらにかっこよく描かれているのです。博打と喧嘩を渡世にしている男伊達の代表が助六です。今の世で言えば、NPOスタッフとカウンセラーがそれにあたりますね。いずれもその職に就くための養成講座のようなものが巷に雨が降るごとく町に溢れています。さて、カウンセラーですが、私は昭和43年ごろに「カウンセリング」に強い興味をもちました。提唱者の一人と言われるカール・ロジャース全集を隈なく読んだ思い出があります。合点がいったことは、「自己概念が行動を規定するゆえに、間違った自己概念をもつ人には、その補正を試みる人が必要だ」という点でした。なるほどと思いました。アンタッチャブルであるべき人の心の奥の院に職務権限をもって入れる、人を助けた気持ちになれる、という二点で女性性に合致する職業だと思います。
文責:清水 佑三
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