人事部長からの質問

2003/11/04 133

中国観をききたい。

おもしろい国、おもしろい国民だといつも思っています。NHKさんがアジアの古都シリーズの第1回で取り上げた北京の路地裏(胡同=フートン)での人々の生活ぶりの映像をみていてつくづくその感を深めました。フートンが生まれたのはおよそ700年前の元の時代だそうです。歴代の皇帝が愛したという「闘コオロギ」博打に興じる人々の表情には悠々たるものがあります。強いコオロギを育てるための秘伝の餌づくり書があるそうです。じつに面白いです。独特の行商の呼び声や皇帝に仕えた人の末えいが受け継ぐ宮廷料理、谷崎潤一郎が心から愛した京劇の型を残そうと頑張る父と娘の毎日の稽古ぶり、おもしろい国だなあ、と思いました。周恩来さんの書も感動します。この国には、高等とその反対、賢愚さまざまなる多様性があって、無限の興趣を感じます。

文責:清水 佑三