人事部長からの質問
人事担当役員から「これだけは頼む」という縁故の話がきましたが。
「身過ぎ世過ぎ」という古い言葉があります。生活上やむをえないてだて、といった感じの意味があります。これだけは、と念を入れているのですから、断れない筋からの話しなのです。人事担当役員に貸しをつくるいいチャンスです。私だったら「わかりました」と答えて、入社させます。そういうことに備えて、ごく少数の採用枠をあらかじめつくっておけばよい。領収書の提出を求めない機密費とまったく同じです。それを毛嫌いする人は、会社のような「清濁あいまじる」場所には元々向かないと考えてください。こうした「曖昧な世界」を一定の幅で抑えるのが人事部長の腕のみせどころです。
文責:清水 佑三
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