人事部長からの質問
清水さんは、毎年どういう年越しをされてますか?
古今和歌集の巻第一第二、春の部に目を通すことでしょうか。「年の内に春はきにけり ひととせをこぞとやいはん ことしとやいはん」(在原元方)で始まり「けふのみと春をおもはぬ時だにも 立つことやすき花のかげかは」(みつね)で終わるのが古今の春の部です。よみ人知らずの歌に顕著なのですが、気持ちが洗われるような気がする歌が多い。この中から一首を選んで、町内会新年会の会長挨拶でみなさんに紹介するのが恒例になりました。そのために、初日の出を拝んだすぐ後、気持ちがシャンとしているタイミングで「古今」を手にとり今年の一首を選ぶのです。新年会での挨拶の主旨は、この歌のように、この一年を新しい気持ちで生きましょう。来年の今日、みなさんにまたお目にかかれることを楽しみにしています、です。私を含めお互いに何時サヨウナラをするかわからないので。
文責:清水 佑三
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