人事部長からの質問

2003/10/06 114

欧州の報酬制度に関心がある。

同感です。アメリカよりもヨーロッパの事例の方が何かにつけて参考になります。たとえばSHLグループは世界30カ国以上に拠点があり、それぞれの拠点の事情を勘案した報酬制度をとっています。郷にいらば郷に従えを実践しているわけです。世界会議などで報酬制度の改革をテーマにした分科会に出ると、賞与制度にそれぞれのお国振りがよく出ます。日本のように年間4〜5ヶ月分を固定的に出すという国は特殊であるという印象を持ちました。また、ヨーロッパ各国のSHLと日本エス・エイチ・エルの報酬制度に対する考え方がよく似ていると思いました。共通点を探すと、新人と社長の年収倍率が高くない(数倍程度)、個人の年収が下がらないようにつねに経営が配慮する、成果よりも働いた時間に対して報酬を用意しようとする、等でしょうか。こうした考え方の根底に「社会主義的思想」があると私は考えています。

文責:清水 佑三