人事部長からの質問
適材適所の人事をしたいが…
「適材適所」も「公平」も古代の人たちが空想した「常世の国」のように実在しない理想をいいます。錬金術、蓬莱山、民主主義みな同じです。ただ、そういうものがあるといいなあ、とみんな思うのです。それが実在しない証拠は、下手の横好き、という言葉の存在です。できることは、できるがゆえにつまらないのでやりたくない。下手だからこそそのことに執着する、それが多くの人がもつ性質です。野球の監督などがその典型の例でしょうか。誰がやってもうまくゆかないのが監督稼業というものです。しかし、多くの人がその仕事につきたいと思います。下手の横好きですよね。逆にうまい人がいると、そういう人は人気が出ないので、興行にならないのでクビです。永続しません。適材適所とは架空の動物のようなものです。
文責:清水 佑三
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