人事部長からの質問
「採用」って大事なことだと思いますか?
(昔から)そんなに大事なことではない、と思い思いしてきました。10年前に出した本の一部に「どこに就職するかは問題ではない、就職してから毎日をどう過ごすかだ」と書きました。視点を変えれば「誰を採用するかは問題ではない、採用してから毎日、その人とどう向き合うかだ」になります。優秀な人を採用してダメにしてしまう多数の会社があり、普通の人を採用して優秀な人に育てるごく少数の会社がある、とも書きました。この考え方はまったく変わっていません。この点は、結婚も合併もみな同じだと考えています。普通の人を採って、優秀な人に変容させてゆく能力がない組織ほど銘柄大学銘柄学部にこだわるものです。その代表が官庁、自治体です。バカみたい、と思いますが彼らにその自覚はありません。外部からの批判を、瘠せ犬の遠吠えくらいにしか思っていないでしょう。人は変容するものであり、その変容をうまく引き出す相互作用のうまい下手がある、とだけ考えます。
文責:清水 佑三
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