人事部長からの質問
清水さんは増税と歳出削減のどちら派ですか?
脈絡のない話で恐縮ですが、昭和34年頃の自民党の権力闘争と今の自民党のそれと酷似していると思います。当時「党人派」と呼ばれた大野伴睦、石井光次郎、河野一郎らに対して、吉田学校の流れをくむ「官僚派」の岸信介、池田勇人、佐藤栄作らがいて厳しい権力闘争を繰り返していました。子供だった私は河野一郎の大ファンで、ラジオ中継で聞いた彼の委員会質問の声色をよく真似したものです。今の自民党に翻訳すると河野一郎を思わせるのは中川秀直(党)政調会長です。彼がいうことはいちいち私の肺腑に届く。「役人のリストラから逃げて消費税増税を安易に口にする政治家は官僚に戻れ」とばかりのもの言いは河野一郎を彷彿させます。役人出身の財務大臣谷垣禎一などはションベンがちびったでしょう。与謝野晶子直系の豪腕、与謝野馨が中川を「悪魔に魅入られた輩」と形容して谷垣擁護に回った。自民党は、結党の頃の政争のダイナミズムを取り戻したようです。国民(党人派)対役人(官僚派)の代理戦争の始まりですね。遅くなりましたが私は歳出削減論者であります。
文責:清水 佑三
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