人事部長からの質問

2005/08/08 561

人事考課は人に対して行うのか、事に対して行うのか?

物事の成り立ちをよく考えておられる人からの質問だと思いました。「刑法」のもつ働きについての根元的な問いかけですね。私が働くエス・エイチ・エルグループでは、評価は人に対してではなく、事に対して行う、と言い切っています。もっといえば人格と職能は独立しており、会社は職能を評価することは許されても、人格を評価することは許されない、という理念をかかげています。多くの会社の採用面接、登用面接の現場を見させていただいていますが、日本に生まれ日本に育った人には、この理念はどうしても馴染みにくく、評価の対象は事ではなく人になっているように思います。私の今の見解は、元々遺伝的に(我々には)備わっていない職能の分離、抽出にこだわらないで、人のどこをどのように見るかという技術論を精緻にしてゆくことで、(人を見ても)事を見るのと同じ評価に達する工夫をしてゆくべきだ、です。

文責:清水 佑三