人事部長からの質問
採用=教育、とみてよいですか?
まさに私の持論です。採用、教育、結婚みな同じだと思っています。JSバッハの二度目の奥さんが書いた伝記の中に「セバスティアンの演奏を聞いて以後は、この地球上で私が他の男を望むことは不可能になってしまいました。そして彼も(私の聞き方をみていて)この娘を貰おうと内心で言っていました」(アンナ・マグダレーナ・バッハ『バッハの思い出』(講談社学術文庫)という表現があります。ここにすべてがあると思います。こうした出会い、邂逅は「作品の演奏」という機会がなければおよそ存在しえないのです。採用、教育の職掌にある者の仕事はかかる意味でのすぐれた演奏会の設営です。
文責:清水 佑三
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