人事部長からの質問

2005/07/11 542

感情の論理という言葉を講演で使われたが…

私の造語ではなく、敬愛するS.K.ランガー女史が自著の中で使っておられる言葉です。彼女は『シンボルの哲学』(岩波書店)と邦訳された著書の中で「音楽は感情の原因でも療薬でもなく、それらの論理的表現である。…人間感情の諸形式は、言語の諸形式よりもはるかに音楽の諸形式に適合しているために、音楽は言語の及び得ない詳細さと真実さを持って感情の本質を表し、示すことができる」と書いています。音楽だけに限定されないと思います。斎藤茂吉の『万葉秀歌』に紹介されている日本の古歌のいくつかを眺めてみる。詠むもの、読むもの、きくものをして自然に感情を整えさせる効用がある。やまと歌がもつ感情の論理の力だと思います。

文責:清水 佑三