人事部長からの質問
利益金処分の問題に人事部長がどのように関わっていくべきか。
利益金処分の問題は、税引き後の当期処分可能利益を、配当、役員賞与、内部留保の三つにどう分けるか、バランスを決める問題です。役員賞与部分については、総額を株主総会で決めて、取締役会で個別配分について決定をする、が一般のルール、慣行だと思います。ただ、多くの会社は、役員賞与の個別配分問題を代表取締役社長(または会長)に一任する傾向があります。したがって、人事部長が裁量する領域とはみなされていないと思います。(ごく近年、ソニーのように委員会を設けて専門機関に判断を委ねる方式が登場しつつあります)逆に、従業員兼務役員の報酬を含めて人件費の総枠をどういう考え方で個人別に配分するか、は人事部長の職権範囲だと思います。賞与と月例との配分、役員、管理職、職員のバランス、事業部門、職種別のメリハリなどについて、ある価値観にもとづく考え方をもって会社に提言し実行する役割が(人事部長には)あると思います。
文責:清水 佑三
バックナンバー