人事部長からの質問

2004/10/13 363

私生活を犠牲にして仕事をする人について。

中央省庁のキャリア組はある年齢まで、自分の私生活などないかのように仕事に集中します。特に(民間でいう)課長クラスは、国会開催中、いかなる質問にも適切に対応できるように徹底した準備作業を行います。また、予算編成期になると財務省主計官との間での丁丁発止のやりとりを想定し細部まで遺漏のない予算計画づくりに奔走します。限られた人数のなかでやるべきことは決まっているので、手抜きができません。その期間、仕事が終わるのは毎日のように3時、4時になるといいます。大手企業のスタッフ系の人たちもほぼ同じです。こうした人たちは私生活を犠牲にしたと思っていません。自分の使命感が先にあり、選ばれてその使命を果たす場所にいることに強い喜びを感じているものです。それでは私生活は貧しいかといえば、そうではなく猛烈な毎日のあいまを縫って自分がもっとも楽しめることを十分に楽しんでおられるものです。人生を集中して生きている、という感じです。以上がご質問への回答です。

文責:清水 佑三