人事部長からの質問
P.F.ドラッカーは好きですか?
日本人のやることなすことを彼のように好意的にみたアメリカ知識人は少ないのではないでしょうか。魚心あれば水心で、日本人もまた彼を好みました。NHK番組『20世紀の証言』シリーズの一巻として彼が登場したとき、私は食い入るように彼の90歳の相貌を眺めました。ある本の中でその印象を書きましたが、まさに「叡山の荒法師」という感じです。すさまじいエネルギーを感じさせるのですね。その彼が江戸時代の日本の寺のありように触れて、NPOの先駆がここにある、今の時代の営利法人は次第にすたれていって、NPOが主体の社会がくる、そのモデルが日本に既に存在していた、という表現をしていたように思います。そういうことを言われると何となく嬉しいのですね。好きな思想家のひとりです。
文責:清水 佑三
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