人事部長からの質問

2004/08/25 331

管理職は課長以上を指すのか?

どういう枠組みの中での議論かによって変わってきます。たとえば労働法、労働行政という視点でみた場合、資本・経営の側にあって時間単位で働く労働者を管理、監督する仕事をするのが管理職です。彼らは資本・経営側に帰属し、労働組合に帰属しないので、非組合員という呼称がなされる場合があります。その場合、時間外手当の支給をするかしないかが(管理職かどうかの)リトマス試験紙になります。資本・労働という視点を離れて、企業間競争を戦っている組織における指揮の体系という視点でものをみると違った風景が見えてきます。会社が社員にある難題、課題を与えた上で、経営資源(人、もの、金、技術、情報…)の調達と配分に関する権限を委譲した場合、その瞬間に彼(女)は管理職になったとみなしてよろしい。会社の名において台本をつくり、配役をきめてよい権限を実質的にもつからです。係長、課長、部長という身分をもたないでも金を稼ぐ仕事(プロジェクト)を仕切っている人たちが浮かびあがってきます。お金を儲けているのは実は労働法でいう管理者ではなく、プロジェクトリーダー的な後者の人たちです。

文責:清水 佑三