人事部長からの質問

2004/08/05 317

加点主義の評価制度がほしい。

ご指摘の意味は痛いほどよくわかります。企業内評価制度は、評価原資の配分問題であり、どういう視点で制度設計を行っても、評価点別に−2、−1、0、+1、+2の人数分布をとるとベル・カーブと呼ばれる釣鐘型に収斂してゆかざるをえません。本質において評価はゼロサムなのです。このことに抵抗がある場合は、公務員のようにオール・ゼロでゆくしかありません。純粋な加点主義は、勲章制度や囲碁、将棋の段位制度にみられます。究極の加点である「大勲位」「十段」となると人数が極端に少なくなる右肩下がりの人数分布が描かれます。加点主義(評価)が許されるのは、無限大の原資をもっている場合だけです。勲章も段位も発行者が自由に発行できるゆえに成り立ちます。(今の日本の)国債のようなものです。原資が限られるとゼロサムタイプに収斂せざるをえないのです。

文責:清水 佑三