人事部長からの質問
現地法人の経営を現地任せにしない多国籍企業が目立つように思うが。
優秀な成績をあげる現地法人のトップがもつ資質の特徴を調べると、共通性が高く、その国の文化や民族性による偏りがみられないという(実証的な)事実が指摘されています。ヨーロッパで活躍するアジア人のサッカー選手やメジャーリーグで活躍する日本人の野球の選手を考えるとこのことはよく理解できます。松井秀喜や中田英寿は資質においてインターナショナルなのです。ある現地法人において、かりにこうしたインターナショナルな資質に欠けているトップを戴く場合、(そうでないトップを戴く場合と比べ)機会利益を大きく損なう危険があります。こうした事実を踏まえて考えると、多国籍企業が現地法人のトップを現地任せにしない、という戦略を導くのは理にかなっています。
文責:清水 佑三
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