人事部長からの質問

2004/07/23 308

社員が若すぎる。問題が多い。どうしたらよいか?

「老害」という言葉はよく耳にしますが、「若害」という言葉はあまり耳にしません。一般に、年をとることはよくないことであるが、若いことはいいことである、という漠然とした通念があるからでしょうね。「若害」は、そういう目で世間を眺めてみると、確かにあるように思います。力のある若い少数の人たちが会社の価値の全部を(自分たちで)生み出していると思っているような場合、担当役員の指示、話をきかずに暴走しはじめます。戦前でいえば、関東軍の青年将校が中央の指示、命令を無視して、独断で兵を動かしたのと似ています。組織の統治システムの要である(1)組織分掌の確立、(2)権限委任規定、(3)文書による命令・報告システム、(4)法令による賞罰統制、などが機能しなかったのです。「若害」を防止できるのは、シビリアン・コントロール、つまり官僚制の実体化であります。

文責:清水 佑三