人事部長からの質問
あえてこの時期、小泉肯定論を唱えるとすればどうなりますか?
自民党の前近代的な構造(派閥、利益誘導、集票マシン)を壊したこと、民主党に政権担当意欲を与えたこと、北朝鮮に国家犯罪(拉致、不審船)を認めさせたこと、国民感情と乖離している大銀行にメスを入れたこと、等々は素直に評価してよいと思います。今の「小泉さん、もういいよ」コールの泉源をたどると、2回の北朝鮮訪問のときの彼の覚悟の違いに端を発しているとみます。北朝鮮君主との握手や協議場面の映像がテレビで報じられましたが、前回の時にみられた「怒り」が今回の訪朝時では「にやつき」に変わっていました。国民の多くはこの表情の違いに敏感に反応したのだとみています。ひとりの人間の堕落のようなものをみてとったのでしょう。私の中にある小泉肯定論と小泉否定論の微妙なバランスがそのまま自民、民主の新議席数のバランスに出ていたように思います。
文責:清水 佑三
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