人事部長からの質問

2004/06/01 271

「コンピテンシー」を評価制度にからめたい。

野球に喩えましょう。松井稼頭央は、ライオンズ在籍時代、盗塁数30、打率3割、本塁打数30を達成し、「All 3」クラブに入会し年俸を大幅に上げることに成功しました。こういうふうに、目に見える成果を基準にして処遇に連動させるのが成果主義的評価制度です。明快な結果論の立場をとるので、矛盾は少なく、出来上がった選手の評価には最適です。しかし、二軍選手のプレーのレベルをあげてゆくための具体的な手がかりはこの制度からは出てきません。盗塁、打率、本塁打につながる測定可能な要素をつきとめ、それをもって二軍選手を評価するとします。将来の松井稼頭央への近さを一定程度予測できます。どの要素を強化すべきかも明瞭になります。このやりかたがコンピテンシー評価制度です。権限委譲したのちの結果を問題すべき経営・管理層には成果主義的評価制度を、将来の経営・管理層をつくってゆく目的にはコンピテンシー評価制度を使うとよい、が私の考えです。

文責:清水 佑三