人事部長からの質問

2004/05/19 262

景気は過熱気味なのか?

景気という時に、どの部門についていっているかが問題です。一般に政府、企業、家計と分けて考えますが、政府は企業と家計からの税収を基本財源にしていますから、直接的ではなく、企業と家計の2つが景気をみるときの基本要素になります。企業の利益とそこで働く人の収入の関係性についていえば、この3月決算では、3種の新神器と中国特需で潤う一部の勝組をのぞき、売上微増、利益激増という特徴が顕著でした。一言でいえばリストラ効果によるものです。結果として、雇用が減り、また働く人の家計にもしわ寄せがいっています。また「ゼロ金利」効果で、支払い利息は減って企業利益は増え、一方、貯金を銀行に預ける家計は、受け取り利息が減って家計は苦しくなっています。さらに楽天ショップやヤフーオークションを多用する私のような地方在住者が増えたおかげで、多くの(地方の)パパママストアは存続そのものができない時代に入っています。それやこれや考えると、雇用増、家計増につながる明るい構造要因は、残念ながら見当たらない感じがあります。

文責:清水 佑三