人事部長からの質問
労働基準監督署、職安等との対応の要諦は?
労働基準監督署は国家権力そのもので、警察と同じ「司法」の領域に属します。職安は行政府の下部組織です。本質がまったく異なります。どちらの対応を優先するかといえば間違いなく労働基準監督署です。その理由は、そこが「お白洲」だからであります。罪があると疑われている者を取り調べる(礫が敷いてある)場所です。会社の名誉、看板が裁きの対象になってしまうのです。たとえば36協定違反で駆け込みがあれば受理して取り調べる、が労働基準監督署の責務であり、取り調べられた方はありのままに事実を(誠意をもって)答えるしか対応のしようがありません。一方、職安は違います。司法まがいの指導をしますが、あらゆる行政機能と同じで、社会が小さな政府に向かった場合、明日はなくなる存在の一つです。「うたかた」のようにはかない存在なので、適当な対応でよろしい。
文責:清水 佑三
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