人事部長からの質問

2003/10/30 131

年俸制の功罪を。

ノンプロ(社会人野球)とプロ野球を考えると、月給制と年俸制の違いが明瞭になります。ノンプロの場合、都市対抗野球大会に優勝しても、選手の俸給は基本的にかわりません。監督、コーチ、選手の生きがいはお金以外のところにある、とみるべきです。しからばそれは何か、会社の名を高めた野球団の名誉であり、優勝の達成感であり、苦労を共にした同志との連帯感などでしょう。一方、南海ホークスの山本(鶴岡)一人監督がいみじくも「グランドに銭が落ちてる」と言ったようにプロ選手にとっては銭金(ぜにかね)がすべてです。自分の年俸を上げるパッションがよいプレーを引き出すのです。そこにはあがってナンボの世界があります。銭金の効用についてはよく知っているつもりですが、かつてのノンプロの隆盛を支えていた家族主義的な帰属意識の効用も、また見捨てたものではない、とよく思います。

文責:清水 佑三